文鳥の手術

2008/01/17

我が家にはヒナの頃から飼いだして丸5年になる文鳥がいる。
家族でチップと名付けたのだが、面倒になると単に「ピーちゃん」という。 上手に飼えば10年を過ごすとも言われる文鳥だが、
さすがに最近は若さがなくなってきた。特に脚の衰えが目立つ。

 

好き嫌いのある文鳥で、飼育の本には生野菜もやって下さい、とあるのだが、
ホウレンソウや白菜など食ったためしがない。
もっぱら袋入りの「鳥のえさ」が好物である。
ビタミン不足のつけがきたのか止まり木から脚をすべらせ、
背中から落ちてなお、カメのようにもがいてしばらく起き上がれないこともある。

 

その文鳥のくちばしの根元に、
こげ茶色のかさぶたのような隆起がみられたのが3ケ月ほど前のこと。
最初はちょうど爪の逆もげのような、ちいさな突起だったが、
だんだん大きくなり、文鳥も口を開けては舌で気にしている様子。
そのうちに昼間も、うとうとすることが多くなった。

 

私は獣医さんではないが、医師の判断として
これはよくない病気であるに違いないと思った。
この文鳥は、私の部屋に本拠をおいているのだが、
私は本来の飼い主である息子に話をした。
「長い間、たいした病気もせずに素人である我々が飼うことができ、
親しんできたピーちゃんだが、
だんだん大きくなるあのかさぶたのようなものを見ると、
どうも今度はよくないように思う。
よくかわいがってあげなさい。」

 

神妙に言ってはみたが、かさぶたを見ると、
触っていじってのけたくなるのが人情と言うもの。
これまでにも実は私は、このかさぶたの除去にトライしたが、
意外に根が張っていて断念していたのだ。
このままかさぶたが大きくなって、口が開かなくなるより、
最後にもう一度トライをしようと思った。

 

いやがる文鳥を左手に押さえ、人差し指をくちばしで噛まれながら、
右手に持ったアルミのヘラでかさぶたを掻き起こす。
文鳥の目がかさぶたに引っ張られて糸目になる。
ここでやめるべきか、出血はないか、
ドキドキの一人手術となったが、
そのうちにかさぶたの基部が少し回転した。
すき間にヘラを差し込んで軽くこねると
ミカンのヘタほどのかさぶたが、ゴソっと起き上がり取れた。
出血やにじむ液体はない。

 

文鳥をかごにもどすと、しきりに脚で手術部を掻く。
掻くな、感染するぞ、と思うが文鳥は知ったこっちゃない様子。
アーすっきりしたー、という風にも見える。

 

昔話では、こんなことをすると、
前より大きなかなぶたができたり、
反対側にできたりするのだが、どうぞそんなことが起こりませんように。


コメント

かさぶたのとれた文鳥は以前のように、好きな「鳥のえさ」の中からさらに自分の好きな細長い穀物を皮を散らかしながら、ついばんでおります。