こぼれ話


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その483 予波 2018.10.20

2018/10/20


 前回9月にピアノコンクールの予選を聴いた話を書いた。
私が良いと思った奏者は3次予選に進めなかったようだけれど、めげずに研鑽を重ねてほしい。
 
 若い人が懸命に演奏する姿に触発されて、東京から帰った後、
少し気合を入れてピアノの練習をすると、右手首を痛めてしまった。
初めは「心地よい疲れ」ぐらいに思っていたが、だんだんひどくなる。
手首を曲げることも、指を開くことも痛みがあり、
特に手首を外側に返すと激痛が走る。
箸は食べ物を挟んだ後、かなり手首を回して口に持ってくるので、
食事に右手は使えない。
シップと痛み止めで何とかしようと粘ってみたが、一向に良くならない。
 
 整形外科へ行くことは考えていたが、悪い病気が見つかるのではないか、
関節に針を刺して、なんて痛いことをされるんじゃないか、
などなど自分が医師とは思えぬ心配をして、もう少し様子を見ようと先延ばしにしていた。
2週間余りたった後、「整形、行ってくれば」とあっさり家内に言われ、ようやく決心をした。
 
 診察が始まる少し前に受付をしたが、20人以上待つことになる。
長い待ち時間を覚悟したが、診察が始まるとスムーズに進み、私もドクターの前に。
痛くなったいきさつをお話しするが、あまりそれには興味がないようだった。
でも手の具合をよく診てくれてレントゲン撮っときましょう、となった。

「関節腔にちょっとモヤっとした物が見えますね。
これとこれとの薬でやってみてください。さっぱりしなかったらまたどうぞ。」
と言われた。
 
 ふう、心配した痛い処置もなく終わった。
言われた薬を飲むと数日のうちに痛みと腫れが徐々に引いてきた。
痛みのひどい間は、右手は再起不能かもしれないと考え、
左手のピアニストの智内威雄さんのホームページを見たり、左手のための楽譜を取り寄せたりもした。
両手の曲の左手だけを練習すると、低音部の流れなど思わぬ発見があった。
しかし両手の曲では、耳から入る全体の音を脳が判断して左手は動くらしい。
まだ両手はやめとけば、とも思うが、
すぐにヘタってしまう頼りない右手ながら、弾けるとうれしい。
 
 仕事の上でも影響は少々出た。
カルテは何とか右手で書いたが、小さなミミズがのたくったような文字になり、
右手を回転させる必要のある大腸内視鏡は一時できなかった。
血圧を測るためのゴム球は左手でシュポシュポやるか、看護師に測ってもらった。
 
 体の一つの関節ではあるが、不調があると全体に影響が出る。
患者さんにやさしくなるのに、エネルギーが必要になる。
大事にならずに済んだが、自分の体から警笛を鳴らされたように感じる。
若い頃と違って、体の故障はすぐには治らないということか。